用語集


 

SSPC-PA2 規定

SSPC(Steel Structures Painting Council USA 米国鋼構造物塗装協会)によるSSPC-PA2規定は防食塗装膜厚が各規格値の80%以120%以内でなくてはならないと定めています。
測定法:各測定点(スポット)では、直径4cm以内の3点を測定しその平均値を一スポットの測定データーとする。このとき測定値3点間のばらつきは無視できるが、この平均値が、各規格の80%以上120%以内でなくてはならない。測定数は測定エリア10m2(100sq ft) あたり5スポット測定を基本としています。

  • 28m2までは各10m2あたり5スポット測定
  • 28~100m2では10m2の代表サンプルエリア3か所をランダムに選んで測定
  • 100m2以上では最初の100m2だけ10m2を3か所測定。残りは100m2毎に10m2測定エリアを1か所のみ選定して測定
  • 80/120%ルールに合格しないエリアが発見された場合は、不合格エリアを特定すること

(注)フィッシャー社の膜厚計はMPORやFMP100などで、SSPC-PA2対応の測定モードがあり、3ポイントの測定平均が80/120%以内かの確認が容易にとれる。またFMP100などの上位機種では、測定ポイントへのグラフィックガイドや統計処理を含む、測定プランが使用できます。

 

国際海事機構(IMO)塗装性能基準(PSPC)

塗装は、船舶の状態を良好に維持すると共に保守を容易にするため非常に重要なものです。また、建造段階における施行品質が将来にわたる塗装の維持に大きな影響を与えます。このような塗装の重要性に鑑み、国際海事機構(IMO)は2006年12月8日通称PSPCと呼ばれる塗装性能基準を採択しました。 また、IMOはPSPCを強制化させるSOLAS条約II-1章3-2規則の改正を同時に採択しました。

PSPCの90/10ルール: 「全膜厚測定点の90%は塗料スペックが求めるNDFT(公称乾燥膜厚)以上で、なおかつ残り10%の膜厚は0.9×NDFTを下回らないこと」を意味します。この90/10ルール対応機能を搭載した膜厚計(フィッシャー社MP0R、FMPシリーズ)も登場しています。

 

アドミッタンス (admittance)

電子回路における電流の流れやすさを示す値のことである。インピーダンスの逆数をとり、記号「Y」で表される。アドミッタンスの単位はジーメンス(S)が用いられる。以前はインピーダンスの逆数ということで、インピーダンスの単位であるオーム(ohm)を逆さにしたモー(mho)と呼ばれる単位が使用されていた。アドミッタンスの値が小さいほど、回路を流れる電流は小さくなる。また、Yの値は複素数を用いて表現されることが多い。

 

渦電流(うずでんりゅう、eddy current)

金属板(アルミニウムなど)を強い磁界内で動かしたり、金属板の近傍の磁界を急激に変化させた際に、電磁誘導効果により金属内で生じる渦状の電流のことです。
これを利用しているものとしては、周囲の磁界の変化を打ち消す磁界(レンツの法則)が生じるように渦電流が流れる結果、物体の運動を抑える力を生じる事を利用した渦電流ブレーキや、高周波の磁力線によって物体内に渦電流を発生させ、この電流によるジュール熱を利用する電磁調理器などがあります。
また、電動機や発電機、変圧器の鉄芯において渦電流が発生した場合、鉄芯の電気抵抗による発熱が原因でエネルギーの損失が生ずることを渦電流損と呼ぶ。これを防ぐため、鉄芯には表面を絶縁処理した薄いケイ素鋼板などを重ね合わせたものが用いられている。テープレコーダーの磁気ヘッドも同様に、フェライトではなく金属を用いる場合は積層型を用いて高域特性の劣化を防いでいます。

 

オーステナイト相(austenite)

純鉄または鉄と炭素の固溶体のうち、比較的高温で析出する相である。γFe、γ鉄(ガンマてつ)ともいう。イギリスの冶金学者ロバーツ・オーステン(Sir William Chandler Roberts-Austen)によって発見された。 常温常圧の鉄は体心立方格子構造(bcc構造)を取り、強磁性体である。しかしオーステナイトは面心立方格子構造(fcc構造)を取り、非磁性体となります。

 

フェライト相(ferrite)

純度100%の鉄において911℃以下の温度領域にある鉄の相(組織)である。この領域において、鉄は体心立方格子構造をとる。αFe、α鉄(アルファてつ)ともいう。ラテン語の鉄『Ferrum』から由来している。 純度100%の鉄において、911℃を超えると、オーステナイトに変化する。この温度をA3点という。フェライトは、Fe-C状態図において、728℃で最大溶解量0.0218[mass %]までの炭素を固溶できます。この最大溶解量の値が、鉄と鋼の分かれ目となっています。 770℃までは強磁性体です。770℃を超えると常磁性体に変化します。この温度をA2点といいます。

 

二相鋼

二相ステンレス鋼は、高クロム(Cr)に適量のニッケル(Ni)を添加してオーステナイトとフェライトの二相組織とした高強度・高耐食ステンレス鋼です。クロム、ニッケルに加え、モリブデン(Mo)、窒素(N)を添加することにより、汎用二相鋼クラスからスーパー二相鋼クラスまで幅広い耐食性と価格レパートリーを持ちます。

 

ジーメンス(Siemence) mS/m (mili Siemence per meter)

ミリジーメンス・パー・メーターは抵抗Ωの逆数です。抵抗の大きさは、経路の長さLに比例し、経路の断面積Wに反比例します。これは液体でも固体でも同じです。あるサイズの材料の抵抗は、 抵抗R[Ω] = 抵抗率ρ[Ωm] × 長さL[m]/面積W[平方m]で表します。 抵抗率ρ[Ωm]は 抵抗率ρ[Ωm] = 抵抗R × W[平方m]/L[m] 導電率k = 1/抵抗率 = [S/m] となります。

 

%IACS (% International Annealed Copper Standard) 電気抵抗率

温度で変わる他、材料の不純物の量、塑性ひずみの有無によっても変わる。 工業的には、導体の電気抵抗率は IACS: International Annealed Copper Standard (国際焼きなまし銅線標準)という名の ""標準焼きなまし銅線"" を 100% とした場合の導線が何%の導電性をもつかという比較値で表されることもあります。

 

無電解ニッケルメッキ (electroless nickel plating , chemical nickel plating)

電気を使用しないでめっきする処理のことです。メッキの膜厚が均一につくため(めっき液が浸漬していれば)「複雑な形状」「寸法精度を有するもの」に適しています。鋼上での耐食性は電気ニッケルめっき皮膜より良好です。理由として無電解めっき特有の皮膜厚さの均一性被覆能力が優れていること等があげられます。また、数%のリンを含有しているため、有機物、塩類、有機溶剤及び苛性アルカリ、希薄鉱酸に対しても優れた耐食性を示します。

 

電磁誘導 (electromagnetic induction)

下図のようにコイルに検流計をつなぎ磁石を近づけたり遠ざけたりすると,コイルに電流が流れることが観察できます。これは,コイルを貫く磁束が時間に対して変化することが原因です。このような現象を電磁誘導といい,生じる起電力を誘導起電力,流れる電流を誘導電流といいます。


ファラデーの電磁誘導の法則

「コイルに生じる誘導起電力Vは,コイルを貫く磁束φの単位時間当たりの変化に比例する」 コイルの巻き数をnとすると

 

磁気誘導(じきゆうどう、magnetic induction)

磁気が近接してくると、物体に反対の磁極が生じる現象。永久磁石が釘などを吸引することができることはよく見られる現象であるが、これは釘には磁気誘導によって磁極が生じるために吸引されると説明されている。反対側にはN,Sのどちらかが生じています。

 

ホール効果(ホールこうか、hall effect)

電流の流れているものに対し、電流に垂直に磁場をかけると、電流と磁場の両方に直交する方向に起電力が現れる現象。主に半導体素子で応用されます。1879年、米国の物理学者エドウィン・ホール(Edwin Herbert Hall, 1855-1938)によって発見されたことから、このように呼ばれます。

 

クーロメトリ法 (電量分析法・電解式)

目的成分を電流効率100%の条件下で電解し、これに要した電気量から定量分析を行う方法。 フィッシャー社の方式は測定セルを被測定膜に密着させて、一定の測定面積・電解液・電流のもと被測定膜の電気分解を時間と電圧の変化により分析する。 つまり、電気メッキの逆の工程を厳密に各数値を計測しながらおこなう。

 

フィッシャー社の略号

フィッシャー社独自の略号がウェブページやカタログの中で使用されていることがありますが、意味は以下の通りです。
iso: isolation layer 絶縁膜、絶縁下地、PC基盤などを示す。
NF:Non-Ferrite layer 非鉄金属層 Al,Cu,Zn,Niなどを示す。
NE:Non-electrical layer 非導電性層

 

濃度の単位

  • 百分率 (%) 濃度比の絶対値に102を乗じて値とする。
  • 千分率 (‰) 濃度比の絶対値に103を乗じて値とする。
  • 百万分率 (ppm) 濃度比の絶対値に106を乗じて値とする。
  • 十億分率 (ppb) 濃度比の絶対値に109を乗じて値とする。
  • 一兆分率 (ppt) 濃度比の絶対値に1012を乗じて値とする。

 

長さの単位

mm, µm, nm, pm の関係
1mm=1000µm=1,000,000nm=1,000,000,000pm

 

膜厚計 測定方式 (フィッシャー社)

ヘルムート・フィッシャー社の膜厚計にはアプリケーションに合わせて様々な方式が使用されており、電解式以外は非破壊方式です。
また渦電流位相式は、塗装膜の下にある亜鉛層の厚み(保護膜下の銅厚)を測定することができ、実質上測位対象に対しては非接触式の測定となっています。

  • 蛍光X線式 (X-ray fluorecese method)
  • 電磁式 (magunetic induction method): (同意語)電磁誘導式
  • 渦電流式 (amplitude sensitive eddy current method): (同意語)渦電流振幅感応式
  • 渦電流位相式 (phase sensitive eddy current method): (同意語)渦電流位相変位感応式
  • 磁気式 (magnetic method):(同意語)ホール効果電磁式 (注)永久磁石とホール効果センサーを使用
  • 電気抵抗式 (electric resistance method)
  • ベーター線後方散乱式 (beta ray backscatter method): (同意語)ベーター線反射式
  • ベーター線透過式 (beta ray transmission method)
  • 電解式:(同意語)電量分析式、クーロメトリ式